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リンパ浮腫Q&A

リンパ浮腫とは

リンパの流れが障害されるために、組織にむくみを生じる状態のことを、リンパ浮腫と言います。上肢(腕、手)、下肢(脚、足)に生じることが多いですが、顔面、頚部,外性器などに起こることもあります。

リンパ、って何?

身体の中で、血管とともに水分などの輸送を受け持っている流れのことで、リンパ管と呼ばれるごく細い管の中を通って運ばれます。

どういう原因で起きるの?

もともとリンパの流れが悪い状態を持っている場合(これを、原発性リンパ浮腫、といいます)と、病気や手術、放射線の治療、などでリンパの流れが障害されて起きる場合(続発性、または、二次性リンパ浮腫、といいます)があります。続発性の場合、上肢では、乳がんの術後や放射線治療後、下肢では、骨盤部の手術後(婦人科や消化器外科、泌尿器科など)や放射線治療後に多く見られます。

どういう症状があるの?

ゆっくり進行する、腕、あるいは脚の全体のむくみが主な症状です。進行がゆっくりであるために本人があまり気がつかずに他人に指摘されて初めて気がついたり、むくんでいることによって、腕や脚が重苦しい、疲れやすいことなどを感じて気がつくこともあります。長期間そのままにしておくと、皮膚が硬くなったり、かさかさになる症状が出てきます。通常は痛んだりすることはありませんが、リンパ浮腫になっている腕や脚に感染を起こした場合、急速に晴れて赤くなって痛む場合があります(これを、急性リンパ管炎、といいます)。

どんなふうに診察するの?

あなたの困っている症状をお伺いした後で、むくみの状態について実際にみせていただき、さらに、下肢の場合は、超音波エコーを使って血管の状態を評価します(リンパの流れは実際には超音波では見えませんが、下肢の場合、血管の病気の合併がないかを判断するのは、診断をつける上で重要です)。最後に脚のサイズを測ってから、治療方針についてご説明します。

どういう治療があるの?

リンパ浮腫を手術などで劇的に治療する普遍的な方法は今のところありません。したがって、リンパ管炎などの合併症、症状の増悪を予防するための生活指導と、弾性着衣(スリーブ、ストッキング)、包帯による圧迫治療、人の手や、機械を用いたマッサージ(リンパドレナージ、といいます)、スキンケア、運動療法などの治療を総合した、複合的理学療法を長期間(一生涯)続けることが必要です。それぞれの患者さんの状態に応じて対応いたしますので、ご相談ください。

どこで相談すればいいの?

当院では、外科が診療を担当します。上記のような症状でお困りの場合は、お気軽にご相談ください。

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